環境問題に関心を持っている法学部4年生のブログです。2011年9月から1年間、アメリカのUniversity of California, Davis (UC Davis, UCD)に留学し、市民及び行政による環境政策や環境法などについて勉強してきました。留学準備、あっちでの生活について書いた記事が、留学を目指す方の参考になればいいな。
日々の日記、環境問題について思うこと、などを書いています。


Jun 2, 2011

読了「第4の産業革命」藤原洋/エネルギー政策について

文明塾事務局の岩田さんにお借りした本。
帯に「Google japan 名誉会長 村上憲郎氏 大絶賛!」とかいてあるから読む前から期待が高まる。
文明塾環境教育プログラムの講師をしてくださった慶應の清水教授(EV. 電気自動車がご専門)についても書いてあるよ!

実際、”太陽経済”の内容と日本・世界の現状が分かってよい本だった。
もっとガツガツとこの「産業革命」について書いてある文章かと思ってたけど、最後まで冷静に現状を見つめつつ、今の日本を如何に成長させて行く必要性があるか、ということが書かれていた。政策提言が一冊にわたって行われているみたい。


ずっと思っていた、「日本はなぜ太陽光発電などの技術を持っているのに世界シェアが低いのか」という疑問に対する答えが載っていた。

日本は1980年から世界の中でも太陽光発電がトップだった。
でも2005年から2009年の間、国の財政が傾いて来たことで助成金が打ち切られたのだ。
助成金があることで消費も伸びていたのに、それがなくなったことで、太陽光発電事業を行っていた日系企業は一気にさめてしまう。
2009年から政府がまた助成金を出すことにしたが、この打ち切っていた期間中に他国の企業のシェアが伸び、どうしようもない遅れをとってしまったのだ。

それだけではない。現在の政策にも他国企業から遅れを取る原因がある。
それは、固定価格買い取り制度(フィードインタリフ制度)の導入の遅れ。
発電したものをある程度の額で引き取ってもらえるとなれば、ソーラーパネルを設置するインセンティブを与えられる。EUではこの制度を早くから導入して、特にドイツでは成功をおさめている。

そう言えば、ドイツに行った時に、ICE(電車)の中からよくソーラーパネルだとか風力発電機を見て、さすが環境先進国と言われるだけあるなー と思ったんだよね。


で、日本の失敗について話を戻すと、 国内で売れないから輸出することになって(2007年に国内で生産された太陽電池の8割が輸出)、それでも規模の経済が実現さないから、世界の価格競争に乗り遅れた ってわけ。


固定価格で買い取ることには賛否両論ある。
更には、3.11を経たからって、いきなり原子力発電をやめて再生可能エネルギーの率を増加させようという動きにも賛否両論ある。




これについて私の意見を書こう。

まず、大きな争点から。
日本のこれからのエネルギー政策
脱原発を少しづつ進め、再生可能エネルギーへの転換を進めて欲しい。
原発についてはいろいろ意見があるけど、一概に事故を理由としてやめるべき、というのは賢明ではないかな。

確かに、今回の「想定外」と言われる大地震・津波は起きると分かっていても何十年に1度あるかないかというもの。そんな危険に怯えて、短い目で見たら確立の低い危険に合わせて脱原発と言うとか、過剰に反応し過ぎだという意見もある。その辺の危機管理は人の価値観によるものだから一概に決めることはできないわけで。

それから、「じゃあ、原発を廃止したら電力の値段が跳ね上がるじゃないか」という意見に対して。
こっちはかなり深刻な問題だと思う。
日本の価格競争力が全体的に落ちるのは確かだからね。電力に頼らずに事業を行えるものなんてほとんどないに等しいし。

だから、徐々に移行して行くのがいいと思うのよ。

新しい日本が実現できるだけでなく、ビジネスチャンスが含まれるものとして見るのが良いかも。
再生可能エネルギーは資源の枯渇の心配がほとんどないから将来世界に必ず必要なものだし、日本の技術を持って世界に輸出して行くことは可能だから。
日本の再生可能エネルギー技術を競争市場に持って行くには国内での需要が高まり、規模の経済が実現されることが必要。
鶏の卵を沢山生むためには、まず鶏が何匹もいなくちゃいけない、みたいな?w
鶏が先か、卵が先か、の話だって、どっちかをまず存在させない限りには永遠に考えるだけのループにはまるだけ。


で、じゃあ再生可能エネルギーを導入するとして、その中の太陽光発電事業においてどのような政策をとるべきか
もうEUやアメリカの成功例/失敗例が沢山あるのだから、参考にして固定価格買い取り制度(フィードインタリフ制度)を導入するのがいいな。
結局、世の中金なんだよ!

w w w

いや、そこはしょうがない。みんな生きていかなきゃいけないんだ。
お金はこの社会において必要不可欠なんですよー
そうなると、インセンティブを与えるにはお金の補助及びある程度の補償が必要になってくる。


この制度のデメリットとして、低所得者の家庭は太陽光発電への初期投資ができなかったら、周囲の人の買い取り制によるしわ寄せを食らうことになる点が上げられる。
お金も必要不可欠だけど、電気も必要不可欠。価格弾力性が小さいという特徴は見逃せない。(ゼミの春合宿ディベートの準備で電力についてはかなり知識を得たw)


どっちが良いかなんて判断を、私の乏しい知識だけじゃできないけど、今のところはそう考えている。





ちょっと話違うけど、めも。
コンサルのA.T.カーニーがこんな報告書出してた。
http://www.atkearney.co.jp/about/popup/for110523.pdf


この本の最後の賞を読んで、入ゼミの選考面接で質問されたことを思い出した。
「人の良心や思いだけで、国際会議の場で利害対立をおさめることはできませんよね?」
私はその時、「なんで国際会議の場でビジネスを一番に置いてしか議論ができないのか不思議」という意見を述べたんだ。

でも、今はもう少し現実を見ることができた。

世の中って、すごくシビアなんだよ。 笑

思いだけで動くなんて、よっぽど余裕がないとできない。
所詮、お金の動きが最重要考慮事項。
そう言う意味で、ビジネスと環境問題をつなげるのはとっても必要なことなんだと思うようになったのよー。


環境都市政策とかも学んで、それを職業にしつつ、
国際会議とかで世界の進むべき方向の最前線を見るだけでなく、作って行ける存在になりたいと思った。


その他参考ページ:http://eco.nikkeibp.co.jp/article/column/20110406/106293/?P=2



藤原 洋
朝日新聞出版
発売日:2010-07-07

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